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デリカD:5を4インチのボディリフトさせる方法をお見せします
ボディリフトとは、クルマの車高(全高)を上げるリフトアップの一種です。車高調だけでは対応しきれない上げ幅までリフトアップできるほか、エンジン部分や足回りの位置を替えないため、不具合も少なくできるというメリットがあります。
今回は、三菱 デリカD:5の4インチボディリフトを行う方法を紹介していきます。
2023.12.26
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今回、カスタムのベースとなるのは、デモカーとなっているデリカD:5です。デモカーであるため、すでにKUHLのエアロパーツを多数装着しています。
リアディフューザー、片側9ミリのワイドフェンダー、BLITZの車高調を用いて1センチのリフトアップを施してあります。そのほか、グリル、レーシングボンネット、バンパーカバーでドレスアップしています。
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今回、デリカD:5のボディリフトに用いるパーツは、北海道にあるオートガレージチャンプというメーカーのキットを使用させていただきました。
パーツ数が多いため、それぞれがどのような役割を持つのか解説します。
1つ目のパーツはストラットです。太く短いパイプのような形状をしていますが、足回りの一番上に来るパーツであり、厚みの分だけ車高が上がります。イメージとしては、車高調の上にこのパーツが乗り、その下にスプリングとショックアブソーバーが連なります。
2つ目のパーツは、フロントのメンバーとボディの間に挟むブロックです。メンバーとは、エンジンが乗っていたり、サスペンションの元になっているフレームの部分。そのメンバーとボディの間にこのブロックを挟みこむことでスペースを生み出し、ボディをリフトしてくれます。
3つ目のパーツは、エンジンマウントのブラケットです。このパーツを純正のエンジンブラケットと交換することによって、エンジン自体の位置を下げる、つまり、エンジンの位置を替えない。つまり、配管の取り回しやドライブシャフトの位置を適正な位置に保ってくれるという効果があるのです。
4つ目は、配管の延長パーツ類です。ボディリフトでは、ボディを上げつつエンジンの位置は変わらないのがポイントです。純正の配管では長さが足りず、延長しなければなりません。ラジエーターなどに繋がるホース類を、これらのパーツを使って適切に配管します。
5つ目はステアリングシャフトです。10センチボディが上がるということは、当然ステアリングの位置も10センチ上がることになります。そこで必要になるのが、純正品より延長されたステアリングシャフトです。
純正品のままではラックから届かなくなり、ステアリングが切れなくなってしまいます。そのため、ロングタイプのシャフトに交換しなければなりません。
6つ目は、プロペラシャフトとボディの隙間に入り、固定するためのブラケットです。プロペラシャフトは車のフロントからリアまで中央に走っている、タイヤに駆動力を伝える部分のこと。
ボディを上げたことによって、プロペラシャフトとの間に隙間が発生します。このパーツは、その隙間を埋めて固定するためのパーツです。
この他、リア用のかさ上げパーツ。さらに、デリカD:5のリアはスプリングとショックが別部品になっているため、スプリングに乗せるパーツ、ショックの上に取り付けるスペーサーなどが主なパーツ構成です。
さらに、ヘッドライトの位置が変わるとともに、光軸が下がってしまうため、それを調整するための延長ハイトセンサーなどもキットに含まれています。
また今回、リフトアップするデリカD:5に装着するタイヤは、ダンロップのオールテレーンタイヤであるグラントレックAT5、サイズは275/65/17としました。
ベースとなるデモカーに履いているのは、245/65/17というサイズのタイヤを履いているため、幅も外径もさらに迫力がアップします。
ホイールに関しては、デモカーよりさらに2センチ出面のあるホイールを用います。車検には通らなくなりますが、デモカースペックを目指して作業を行っていきます。
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ステアリングシャフトのつなぎ目は、運転席足元のブレーキペダル横に見えています。そのため、繋ぎ目を外してブーツを外しやすくし、形に合うようカーペットの加工も行います。
そして、エンジンルームのワイパーカウルを外し、エンジンを剥き出しにします。その状態になったら、エンジンマウントを外し、ショックのアッパーマウントがワイパーの付け根のさらに奥側にあるため、こちらも分解していきます。
そして、フロントの車高調も取り外します。これは、ボディリフトに必要なブラケットを取り付ける必要があるためです。
今回ボディリフトに用いるオートガレージチャンプのストラットは、アライメントが狂うことを考慮したうえで、垂直ではなく角度が付いた構造となっています。
ローダウンすると、キャンバーはネガティブ方向に働き、リフトアップでは逆にポジティブ方向に働きます。今回リフトアップに用いるパーツは、キャンバー角を補正するための角度が元々付けられているため、そう言った点でもオートガレージチャンプのリフトアップパーツはとても使いやすいと言えます。
取り付け方自体は非常にシンプル。アッパーマウントの上に乗せ、ボルトで固定すれば車高調が上方向に延長されます。
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ボディリフトでは、ボディは上がり、エンジンは元の位置のままです。そのため、マフラーを固定しているゴムブッシュの位置がリフトアップした分上に上がります。純正のゴムブッシュでは長さが足りないため、延長された固定用パーツを取り付けます。
別の手段として、マフラーのパイプ形状自体を加工し、ボディに這わせるといったパターンもあります。
続いて、リアの車高調を取り外します。ショックアブソーバー本体のマウントをボディリフト用のかさ上げされたマウントに交換し、サスペンションの方にもかさ上げするためのブロックを噛ませて固定します。
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そして、いよいよエンジン周りに入っていきます。エアクリーナー関係、インテークパイプ、バッテリー、その他小物類を前もって取り外しておきます。
手順としては、エンジンを下げていきながら運転席側のエンジンマウントを交換し、ミッション側のエンジンマウントにはスペーサーを噛ませたうえでマウントを交換します。
エンジンはそのままの位置にあって、ボディだけが上がるため、空いた隙間を各種パーツで埋めていきます。それに伴い、純正では配管類の長さが足りなくなるため、配管を一度カットして延長パイプで繋いでいきます。
▲上がボディリフト用のマウント、下が純正マウント
取り外した純正のエンジンマウントと、ボディリフト用のマウントを比較すると、どれくらいボディが上がるのか分かりやすいのではないでしょうか。
ミッション側はマウント自体の交換はしないものの、エンジンが下がった分の距離を稼ぐためのスペーサーを挿し込んで固定します。
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フロント周りにブラケットを入れていきます。まずは、メンバーの先端です。サスペンションからボディに直接つながっている部分なので、ここにブロックを噛ませることで高さを稼ぐことができます。
続いて、フロントメンバーの後方部分にもブラケットを入れていき、固定すればフロントのメンバーとボディの固定は完了となります。
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▲右が純正品、左がボディリフト用のステアリングシャフト
ステアリングシャフトを、延長されたステアリングシャフトに交換します。純正品と並べて比較すると、長さがかなり違うのが分かるでしょう。取り付け方は、運転席足元に挿し込むような形となり、カバーを付けることでフロアに固定されます。
さらに、ヘッドライトのハイトセンサーも交換します。本来、デリカD:5にはヘッドライトの光軸を自動調整する機能が搭載されていますが、それをあえて調整しないようにするパーツです。
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ブラケットをアッパーマウントを取り付けた車高調を、フロントに取り付けていきます。タイヤハウス内から挿し込み、エンジンルームに出たボルトを上から固定していきます。
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プロペラシャフトのセンタージョイントを固定するためのブラケットを取り付けます。ブラケットの高さの分だけ、ボディが上がっているようなイメージとなります。
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リアメンバーにもフロントと同じく、ブラケットを取り付けていきます。下がった状態にしたアームの先端にブラケットをひとつ。さらに、ロアアームからスプリングが入り込むブラケットを固定します。
リアの車高調を戻していきます。フロントの車高調と異なり、リアの車高調は別体となっているため、ショックアブソーバーとスプリングをそれぞれ元の位置に戻していきます。スラビライザーまで固定したら、リアのブラケット取り付けは完了となります。
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タイヤとホイールまで仮で装着し、リフトから降ろした状態です。10センチプラス車高調で上がっているので、かなり車高が上がっているのが分かるのではないでしょうか。
ここから、ブレーキホース類、ABS関係、ハンドルが適切に切れるかどうか、さらにエンジンルーム、マフラーといったパーツを取り付けてボディリフトの作業は完了となります。
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撮影時点では構造変更の手続きが完了していないため、山梨県南都留郡富士河口湖町にある、富士ヶ嶺オフロードのコースを借りて、走行テストを行います。ボディには、KUHLのワイドフェンダーキットを装着していますが、それでもタイヤははみ出てしまっているサイズです。
車高がアップしたことによって、バンク角も純正の状態とは比べ物にならないほど大きくなっています。路面にボディが干渉する可能性は限りなく低くなっており、デリカD:5ならではの悪路走破性を最大限発揮できるカスタムです。
人が真っすぐ立つのが難しいくらい角度が付いたバンクも、なんなく突破してくれます。
速度を出さずとも、搭載されている2.2Lのディーゼルターボエンジンが低回転域から強いトルクを発揮。急な坂道も物ともしません。
今回は、デリカD:5の悪路走破性と迫力を増すためのカスタムとして、4インチのリフトアップを行いました。
しかし、4インチのリフトは上がりすぎだと感じる方向けに、KUHLでは2インチのボディリフトやその他足回りのカスタムメニューも豊富に取り揃えています。
デリカをボディリフトしてオフロード仕様にしたい方、もしくはコンプリートカーとしてフルカスタムされたデリカD:5に乗りたいという方は、KUHLのオフロードカー専門ショップ、VRARVA名古屋にぜひともご連絡下さい。
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今回、ボディリフトのベースとなったデモカーのデリカD:5も、もちろんコンプリートカーとして販売を行っています。新車をベースとしたコンプリートカーが基本設定となりますが、デリカD:5の場合は中古車のタマ数も豊富なので、中古車をベースとしたコンプリートカーを作ることも可能です。ということで、コンプリートカーの仕様・価格についても発表していきます。
■デリカD:5・ディーゼルターボ4WD・Mグレード・8人乗り
コンプリートカー車両本体価格:4,610,000(税込)
装着オプションパーツ合計:1,016,180円
お値引額:407,980円
■コンプリートカーに含まれる装備一覧
・KUHL D5R-RSエアロパーツ3点セット(1トーン塗装品)
(フロントディフューザー・リアディフューザー・レーシングボンネット)
・VERZホイール KROSS 17インチ
・DUNLOP/FALKEN オールテレーンオフロード17インチタイヤ
・PIONEER 7インチナビ
※フロントグリル・リフトアップサスペンションは別オプションとなります
※オーバーフェンダーは別オプション設定となります
※ボディリフトは別メニューとなります
※アルパインBIG-X11インチナビへの変更もOKです
※グレードやボディカラーは自由に選択・変更可能です
「KUHL ONE」オンラインオーダーシステムでも、お見積りシミュレーションが出来ますので、ぜひともご利用下さい。
それではKUHL「デリカD5」をぜひともご検討頂きます様よろしくお願いいたします。
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