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    2ピースホイールの仕組みを解説します

    2ピースホイールとは、リムとディスクという2つのパーツで構成されているホイールのこと。 インセットの設定やデザインの自由度が高く、KUHLのホイールブランドであるVERZ-WHEELSでも、2ピースホイールが数多くラインナップしています。今回は、2ピースホイールの仕組みについて、詳しく解説します。

    2024.5.9

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    2ピースホイールのメリット

    2ピースホイールの仕組みを解説

    2ピースホイールのメリットとして、サイズ選びの自由度が高いことがまず挙げられるでしょう。2ピースホイールは構造上、ディスクとリムの組合せにより1つのホイールとして成立していますが、ディスクの位置、つまりインセットの位置を自由に選ぶことができるため、どのような車に対しても最適なサイズを選ぶことが可能なのです。

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    ディスクの違い

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    2ピースホイールといっても、ディスクの形状によって更に種類が別れています。特に、VERZ-WHEELSの代名詞ともなっているのがディープコンケイブです。コンケイブとは「くぼみ」を意味しており、ディスク面がリムからホイール中心に向かうにつれ、落ちくぼんだデザインを指しています。

    そして、ディープコンケイブとは一般的なコンケイブと比較して、くぼみが更に深いディスク形状のこと。これを可能にしているのが、ディスク外周の立ち上がりです。中心に落ち始める起点が高くなればなるほど、中央に到達するまでの落差が大きくできるという理屈で、落ち始める起点が低いディスクと比べると、よりキツい傾斜をつけたコンケイブができるというわけです。

    そのためディープコンケイブは立体感が強く、ホイールを履くだけで足元を力強くアピールすることができます。

    一方、ディスク外周の立ち上がりを低くし、リムからホイール中心に向かう傾斜をなだらかにしたミドルコンケイブと呼ばれるディスクも存在しています。VERZ-WHEELSでは、コンケイブスタイルのホイールラインナップのほとんどにディープ/ミドルの2タイプを設定しており、オーナーの好みによって選べるようにしています。

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    コンケイブの種類で、装着できるパターンとできないパターンがある

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    コンケイブは、中心に落ち始める起点の高さによってディープとミドルに分けられることは紹介しました。この違いは、ホイールを装着できる車やカスタムにも影響を及ぼします。

    最も影響が大きいのは足回りのなかでも、純正のブレーキが大きかったり、ブレーキ関連をカスタムしている車です。たとえば今回、動画内でホイールマッチングをテストしているのは日産 GT-Rですが、GT-Rの純正ブレーキキャリパーは他の市販車と比較して、非常に大きなものとなっています。

    その分、ブレーキとしての性能は非常に高いのですが、厚みや幅があるため、ホイールのインセットやディスク形状によってはマッチングが不可能な場合があります。今回のケースでは、20インチのディープコンケイブはブレーキキャリパーに干渉することなく装着することができました。

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    しかし、同じインチのミドルコンケイブは装着することができません。これは、コンケイブの形状、特に、前述した中心に落ち始める起点が高さに原因があります。ディープコンケイブは、中心に落ち始める起点が高さが高い場所にあるため、ブレーキキャリパーとのクリアランスを稼ぐことができ、装着できるのです。

    一方、ミドルコンケイブは中心に落ち始める起点が低くなっているため、ブレーキキャリパーを逃がすことができず干渉してしまいます。

    ただし、VERZ-WHEELSのラインナップには、ビックキャリパー対応ディスクが設定されている場合があります。これは、コンケイブの角度を変えず、ディスクのハブ面を車側に向かって伸ばしたホイールです。

    つまり、その分だけ下駄を履かせたような状態となり、ブレーキとディスクにクリアランスを作ることができるため、ミドルコンケイブでもビッグキャリパーを装着した車に取りつけることができるという理屈です。

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    2ピースホイールのディスクとインセットの関係

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    2ピースホイールは、インセットが0であっても100であっても、車体に取りつけられるハブ位置は変化しません。ここが1ピースホイールと考え方が大きく異なる部分であり、マッチングを考える際に少し複雑になる部分でもあります。

    ほとんどの1ピースホイールは、ディスクとリムが一体成型されています。そのため、インセットが変わればディスク面含めたホイール全体が車体側もしくは外側に動くことになります。

    一方、2ピースホイールはディスクとリムが構造上別のパーツで構成されています。このことにより、ディスクのハブ面は車体にナットで固定する部分から動くことはありません。もし、このディスク面を動かそうとするならば、前述したようなビッグキャリパー対応モデル、もしくはスペーサーと呼ばれるパーツをハブ面に噛ませることになります。

    つまり、2ピースホイールのインセットは、動かないディスク面に対し、どの幅のリムをどの位置で組付けるかによって決まるのです。

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    リムについて

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    ホイールは構造によって種類が異なりますが、ディスクの違いだけでなくリム形状の違いによっても種類を分けることができます。

    まず、リム形状はステップリムとフルリバースリムに分けられます。ステップリムはステップ、つまり段が付いているので、段リムとも呼ばれる形状です。一方、フルリバースリムはステップリムのように段がなく、真っすぐ立ち上がっています。

    また、ステップリムは、その形状からホイールを組み付けるためのドロップと呼ばれる凹みが、ホイール外周(ホイールを組みつけたとき、路面に対して平行になる面)に落とし込まれています。

    そのため、たとえばステップの最上段(ホイールの最も外側)でのサイズが21インチだったとしても、ディスクが組み込まれる最も内側の部分のサイズは20インチと、1サイズ小さくなります。

    フルリバースリムでは、ステップリムのようなことは起こらず、21インチのリムなら21インチのディスクがそのまま組付けられます。

    2ピースホイールの仕組みを解説

    このことから、20インチのディスクは21インチのステップリムと、20インチのリバースリムに組み付けられ、19インチのディスクは20インチのステップリムと19インチのリバースリムに組み付けられるということ。ステップリムでは、リムのインチ数よりディスク面が1インチ狭くなるというのが、ここでのポイントとなります。

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    マッチングに影響するインセットとは

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    そもそもインセットとは、ホイールリムの中心線から、ホイールを取りつけるハブ面までの距離をあらわした数値です。0を基準としたとき、インセットがマイナスになるとホイールは車体の外側に出っ張り、プラスになると内側へ引っ込みます。単位はミリで数えます。

    たとえば、インセットが30というホイールがあったとします。ホイールリムの中心線とハブ面が平行、つまりゼロインセットを基準としたとき、インセットが30であればホイールは3センチ内側に引っ込みます。

    逆に、オフセットがマイナス30のホイールは、取りつけたとき3センチ車体側に引っ込みます。マイナスの数値が大きくなればなるほど、リムは外側に出てきます。

    インセットは、あくまでもホイールのハブ面とリムの中心線の位置関係によって決まるということです。2ピースホイールの場合、ディスクの位置は車体の取り付け面から変わらないため、リムの位置が出たり入ったりするというイメージとなります。

    カスタムにおいては、マイナスインセットのホイール。つまり、深リムのホイールが好まれれる傾向にありますが、ホイールの価格という面ではインセットがプラスであろうとマイナスであろうと変わりません。

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    リム幅の選び方

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    リム幅は、ホイールサイズ表記で「J」が付いた数字であり、いわゆるJ数と呼ばれる部分です。ホイールで実際にタイヤが組付けられる幅であり、インチで表記されます。

    1インチは25.4ミリであることから、リム幅は「25.4ミリ×J数」の式で出すことができます。たとえば、10Jのホイールは25.4ミリ×10となり、25.4センチのリム幅があるということがわかるのです。

    車をドレスアップする際、一般的にホイールは太ければ太いほど仕上がって見えます。ですが、10Jのホイールのようなサイズのホイールは、簡単にインストールできるものではありません。

    なぜなら、車検対応するため外側の出幅を考慮しなければならないのはもちろん、車体側にもメンバーなどのパーツがあるためです。特に、フロントはハンドルを切った時にホイールが傾くため、干渉するパーツがさらに増える可能性があります。

    また、1J太くなるごとに、25.4ミリ幅広くなりますが、これは車体側/外側どちらか一方に伸びていくわけではありません。リムの中心線を基準に、車体側に12.7ミリ、外側に12.7ミリずつ同じ幅で広くなります。

    さらに、タイヤサイズなども考慮してホイールのマッチングをしなければなりません。しかし、マッチングの難しさと奥深さが、2ピースホイールの特徴であり面白さであるといえるでしょう。

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