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中古の86を買うときに見るポイント教えます。カスタム&サーキット走行歴は一目瞭然|KUHL Racing TOYOTA 86
今回ご紹介する86(ハチロク)ZN6型というのはKUHLでもかなり販売をさせていただいたおクルマなんですけれども、こちらの型がもうオーダーストップになっていて、新車で購入することができません。
絶対にZN6型が欲しいよというお客様は、どうしても中古車でご購入いただくという形になるんですね。
86の中古車は実はすごい球数が多くて非常に人気があるのですが、どうしても中古ということで、程度は良いものから悪いものまでかなりの幅があります。また、価格もそれに応じてかなりの開きがあります。
ということで、これから86の中古車を買いたい方や店頭で見てみたいという方のために、中古車のチェック方法・チェックポイントについてご紹介していきます。
このZN6型86ですけれども、初代モデルが一番タマが多く値段も非常にお安くなってきましたので、程度の良い中古車を仕入れて新品のカスタムパーツを組むことで、すごくお得に乗れるようになりました。
KUHLでは、シンプル系エアロとなるクルーズブランドから、86用のニューエアロもリリースさせて頂きましたので、これから86の中古車カスタマイズにも力を入れて行こうと思っています。
2022.8.31
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ZN6型の86は、大きく分けて前期モデル・後期モデルに分けられます。
アプライドのA型・B型・C型までが前期モデル、D型以降が後期となります。今回は前期モデルについてご紹介させていただきます。
実は、店頭に並べられているクルマが何型であるのかというのは、めちゃめちゃ簡単に分かる方法があるんです。
助手席を開けて頂くと、ここにコーションプレートが入っており、「アプライドモデル」とわざわざ表示してくれています。
ZN6のBとなっていますので、こちらはB型となります。2013年以降の改良モデルです。
ちなみに2台目の86は、アプライドモデルのZN6のD型です。
年式はA型とB型で被っている場合もありますので、年式だけで判断してはいけません。少しずつ足回りの味付けが変わったりボディ剛性が変わったりと進化し続けているクルマとなりますので。
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フロント周りから順番にポイントを見ていきましょう。
こちらはノーマルバンパー仕様のおクルマです。86はフロントバンパーに弱点があるんですけれども、それが何かというと、「バンパーが下がります。」
バンパーが下がっているから修復歴があるとか下回りを激しくヒットしたとか、そういうことではないんですね。これは、割と自然と下がります。(笑)。
買ったばっかりの状態とか、殆ど距離を乗っていない状態であれば別ですけれども、ある程度走行距離を重ねているクルマは多少なりとも下がっているはずです。
86のバンパーは、リテーナーと呼ばれるバンパーを受ける部品があるんですけれども、それに対してこのバンパーが乗っかっているだけという構造になります。どうしても樹脂パーツで強度が弱いので、少し下がってきてしまうんですね。
これを直すには、中に金属ステー等を入れて少し上に吊り上げるとか、機械的にやるしか方法が無いんですね。これぐらいの下がり具合ならOKと判断して下さい。
あまりにも激しくずれている場合や気になる場合は、新品バンパーへの交換もしくはKUHLのバンパーへの交換がおすすめです。
こちらのおクルマがFRPで作ったKUHLオリジナルバンパーです。キレイに入っていますよね。
フェンダー・ボンネットあたりを直しているかというのは、左右のクリアランスの隙間をチェックしていただくと判断できます。
こちらは経年劣化で開いてきませんので、前後差・左右差がある場合はフェンダーを触っているというのは間違いないと思います。フェンダーの前の部分は1回外すと比較的動きやすいためです。
左右を見比べて均一の隙間だったら大丈夫です。片方だけ広くて片方だけ狭いみたいなのは修復歴が疑われますね。
こちらのクルマは修復歴有りです。見て頂ければわかるんですけれども、前後で広さ狭さが全然違います。右側は割ときれいですけれども、修復歴無しのクルマと比べると全然違います。
ただ、クリアランスのラインが変わっているからといって、必ず修復歴があるかというとそういうわけでは無いんですね。
例えばワイドフェンダーに変えていて売る時にノーマルフェンダーに戻した場合や、カーボンボンネット・FRPボンネットからノーマルボンネットに戻した場合は、キレイにチリが合っていないケースもありますので。
フェンダーとボンネットを交換しているだけだったら、修復歴有りにはならないですよね。もっと明確に見るためには、ボンネットを開けます。
中古車の86をチェックする時は、必ずエンジンルームは見て欲しいですね。こちらはタービンが付いておりターボ車になっています。
さっき説明したフェンダー・ボンネットを交換している場合は、このボルトを触っています。
では、エンジンルームのチェック方法・チェックポイントを説明します。
エンジンルームを開けたら、同時に必ずエンジンをかけて欲しいんですね。エンジンを始動して、基幹系が調子が悪くないか・チューニングがされた形跡が無いか・現状でチューニングされているかどうかというのをまずはチェック。
そして、アイドリング状態の時にアイドリングがバラけないかをチェックして下さい。バラけるっていうのは、エンジン音が上下したり安定しない状態のことです。エンジン自体が動いたりもします。
アイドリングが少しバラける場合はイグニッションコイルやエアロのラインが汚れているとか、スロットルの部分が汚れているとか、そういったトラブルを抱えている可能性があります。
ちなみにこのタイプの86はトラブルが非常に少なくほとんど壊れないのが特徴。まずそれは大前提として安心をして頂いても大丈夫です。
あと、オイル漏れのチェックも忘れずに行っておくことが重要です。
86自体はある程度の距離を乗っても非常にトラブルが少ないクルマですが、どうしてもパッキン・シール類のところからオイルが滲んだりする可能性というのはあります。
全体的に見てオイル漏れが無いかどうかをまずはチェック!
オイル漏れをしやすい場所はこのあたりです。もし目視で確認できない場合は、匂いを嗅いでください。
86ではエキマニにオイルが垂れるケースが多い傾向にあります。エンジンルームを開けてエンジンをかけた時点でオイル臭い場合は、エキマニにオイルが垂れている可能性があるため、この辺りをチェックします。
86は水平対向エンジンでエキマニが真下に走っていますので、オイル漏れをしているクルマは匂いで分かります。酷くなってくると、運転している時も匂ってきます。
場所によってはエンジン降ろしてシールパッキン交換をしなければならないケースもあるため、できるだけ早めに対応して頂きたい部分です。
86はオイル漏れのトラブルは非常に少ない傾向にありますが、オイルメンテの悪いクルマは調子が悪い場合も多いため、オイルメンテの状態は要チェックポイントです。
オイルメンテの状態は、レベルゲージを抜いてオイルが固まったり汚れたりしていないかをチェックして下さい。あと、フィルターソケットも開けて、裏を見たり中を覗いたりするとよく分かります。
86でノーマルがベースのクルマって少なめなんですよ。ほぼいじっちゃっています。
エアクリーナーが変わっているケースも多いですし、サクションパイプまで換えてあったり、レゾネーターを外してあったりというケースもあります。
よくあるのが、チューニング歴を知られたくないためにノーマルに戻しているケースです。
ホースバンドの留めの部分であったりとか、交換する際に触るであろう部品を見て頂いて、以前と同じ場所に留まっていなかったり交換した跡が残っていなかったりしないかをチェックすると、見極めることができます。
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86の中古車を購入したい方が最も心配されているのは、サーキット走行をしていないか、ガンガン走っていないか、縁石に乗り上げていないか、車高を低く乗っていて下回りをこすっていないか、車高を上げてノーマルタイヤで売ったんじゃないかといった点ではないでしょうか。
通常では見極めが難しいと思われがちですが、ものすごく簡単に分かる方法がありますのでご紹介します。
こちらは販売させて頂く予定のフルノーマル車をベースにカスタマイズを施したおクルマです。向こうはドリフト車として運転をしているおクルマです。後者は縁石にも乗り上げたりとかなりハードに乗っているクルマという感じです。
どこが違うのかというと、まず86でサーキットを走る場合は、25号26号の比較的幅広のハイグリップタイヤを履いてガンガン走っているケースが多い傾向にあります。あるいは、目に見える形でホイールを目いっぱい太くして走っています。
すると、このフェンダークリアーズに対してタイヤが太めになるんですね。このように乗っていたクルマは、この部分が絶対にヒットしますので、形跡が残ります。
奥のフレーム。このホイールの隙間から真っ直ぐいった奥の部分です。向こう側も多分ヒットしています。ハンドルを切った時にタイヤもしくはホイールがどうしても干渉するんですね。
こちらはノーマルベースのクルマに新品のホイールを入れたので、余裕があるためハンドルをフルに切っても当たりません。
これが、太いタイヤを入れてたり攻めたホイールを入れたりサーキット走ったりしていると、一目瞭然。
見て下さい。塗装が剥げています。黒いのがタイヤの跡です。
こちらは225の48で割と細めのタイヤですけれども、ドリフトを行うとフルカウンターになったり段差を超えたりするケースもあるため、やはりヒットしてしまうんですね。
ノーマルホイールを履いているはずなのにこの部分が削れている場合は、確実にホイール交換は行われています。しかも結構走り込んだり攻めたりしている。
続いてチェックして欲しいポイントは、フェンダーのインナーライナーです。車高を下げているクルマは、この裏の部分にヒットしている形跡が必ずあります。
当たりやすいポイントは大体ウインカーのこの辺り。覗き込んだりハンドルを切ったりするとよく分かります。車高を下げているクルマは後ろ側もヒットする可能性があります。
本当はリフトとかで上げて下回りを見れれば一番間違いがないのですが、中古車屋さんでリフトで上げて下回りを見せて下さいとはなかなか言えませんよね。
エンジンかけてハンドルくらいは切らしていただけると思うので、このような方法でチェックしてみて下さい。
それと、86のウイークポイントがこのウインカーのガタつきです。
取れちゃいましたね。。
取れる時もあります。
本来はこのリベットとリテーナーでパチッと差し込むようになっているんですが、ただ、どうしてもちょっと弱め。
例えばホイールとタイヤを外の方に出していると、ジャンプしてウインカーに当たるというケースもあるので。そうすると、このようにガタガタになってしまう場合もあります。
86のあるあるなんですよ。
両面テープも同時に使ったりしてなるべく動かなくするなど、ある程度は直せます。
あちらのクルマは、ドリフトでフルカウンターをしたりジャンプとかしたりしてウインカーを突き上げてしまうので、どうしてもガタついてしまいますね。
普通の状態でもある程度は動くから、走り込んでいるかどうかの判断にはなりません。
どうしても下から突き上げるとバンパーが上に持っていかれてしまうので、めちゃくちゃ負荷がかかるんですよ。エアロが悪いからプラついているわけでもないんですね。
どうしても気になる方は、ドアミラーウインカーに代替してしまうという手もあります。
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じゃあ次は中を見ていきましょう。
乗車してエンジンをかけると、A型の電動パースの場合だとパワステを回している時にカタカタカタカタ音が鳴る場合があるんですね。このような場合は、パワステのASSY交換が必要です。
モーターの中の部品が破断してカタカタ音が出るケースがあるので、パワステを回して問題が無いことを確認しましょう。
ステアリング交換をする場合はカバーを外したりするので、隙間なくちゃんとくっついているかどうか、つなぎ目の部分に工具を入れた跡が無いかを確認すると、交換の有無を見極めることができます。
あとルームミラーのフチのあたりが曇ってきた時に汚れているような感じに見えるかどうか。これはルームミラー自体の問題なので、交換しなくては治りません。
左側・助手席のドアミラーもやや壊れやすいので、触ってもらってちゃんと動くかどうか、あるいは電動ミラーを操作して動くかどうかは一応チェックしておきましょう。
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86のリアに関しては、タイヤとフェンダーのここの部分にバンパーがヒットするポイントがあります。
真ん中の部分をこうやって押し込んでいただいたら、クリップのロックを外すことが可能。
クリップを取るだけでバンパーの大部分を外せてしまいますが、ちゃんと止まっていると外れません。
これを外した時に、内部がボロボロになっていたりバンパーの一部分が切れているっていうケースはよくあります。
ノーマルホイールなんだけどここの部分にヒット跡があったり壊れているっていうケースは、タイヤを外に出している・社外ホイールや太いタイヤを履いているなど、攻めた状態で乗っていた可能性も考えられます。
それからこのツメもチェックして欲しいポイントです。ここは曲がっているケースもありますが、ツメをカットして中にしまっているケースもあります。
このような場合はやっぱりカスタムを行った可能性が考えられます。
あと86初代モデルではテールランプの水漏れも結構ありました。
クルマはキレイなんですけれども、例えば水が溜まった形跡があったり曇っていたりすることも普通にあります。
これは修理不可と思って下さい。86は純正テールも社外テールもたくさん出ているので、好きなものを選んで入れて頂くことで対応できます。
まぁこれは86のあるあるなんで、水漏れだけでその車両を諦めるのではなく、交換する前提でいた方がいいということですね。後期がLEDテールなんで純正テールレンズに移植される方も多くいます。
次、トランクを開けてチェックいきましょう。
トランクもダンパーがヘタりやすい事例が結構あるんで要チェックです。特に、でっかいウイングとかついていたクルマの場合などは注意が必要。
あと、この辺りが汚れていたり錆びたりしていないかチェックしておきましょう。
また、フロントと同じくボルトの脱着跡が無いかもチェックしておくと尚良いです。
あとは、荷室がキレイかどうか・工具が揃っているかもチェック!
通常はこのような形で工具がセットをされています。これはパンク修理キットなんですけれども、工具がセットされて無いクルマが意外と多いんです。
特にサーキットを走っているようなクルマは工具を積んでいないので、積み忘れてそのまま売りに出してしまうケースも多くあります。
錆や汚れが無いか、後付けで修理をした跡が無いかとかも、カバーを外すと簡単に見れますのでチェックしておきましょう。
オプションでスペアタイヤが付いている場合はここにタイヤが入っていますね。
あとは、どうしても下回りが錆びているクルマはありますので、できれば覗いてチェックしておくのが理想です。下回りのサビが酷い場合は、トラブルの原因となるため。
純正マフラーだと、パイプとかは結構錆びやすいので要チェックです。もし錆びている場合は思い切って社外マフラーに変えてもらうのもひとつの方法です。
まだまだ語り切らないんですが、これから中古車の86をご購入される方は、今回ご紹介したポイントをチェックしておけばいいかなと思います。
本日は前期モデルのA型からアプライドA型からD型までをご紹介をさせて頂きましたが、今価格的にも非常に購入しやすくなっています。
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86は、カラーとオートマorマニュアルで結構値段が変わります。特に、オートマとマニュアルでは、約20~30万も値段が変わります。マニュアルの方が大幅に値段が高いんですね。オートマだと、同じボディ・同じスペックなら、20~30万円ほど安く購入することが可能です。
カラーはパール・ブラックの2色が人気カラー。赤・紺色・シルバー・ガンメタあたりは、パール・ブラックよりも10~20万円ほどお安くなります。
人気グレードはGTグレード!
Gグレードは、元々新車の時から少し安めの価格設定となっているので、中古車でもGTと比べると少しお安くはなります。便利機能は少し少なくなりますが、基本的にはポテンシャルはGTと変わらないので、Gをチューニングベースとしてスタートというのもおすすめです。
あと、中古車の価格に大きく関わるのが走行距離です。
3万キロぐらいまで、あるいは3万キロ台。この辺りまでは200万円から220万円とかなり高額。オートマにして頂くと200万を切ったりします。
5~6万キロを超えてくると、お値段が一気に20万から30万ほどお安くなるケースもあります。少し価格を抑えたいという方は、走行距離6万キロ以上がおすすめです。
価格帯の相場は、ノーマルベースと考えると安いもので大体120万くらいでいけると思います。距離はちょっと乗った車になりますけれども。
コンプリートカーに関しては、例えばこちらのおクルマの場合だと、
■コンプリートカーに含まれる装備品一覧
・フロントスポイラー
・サイドディフューザー
・リアディフューザー
・車高調
・ホイール
(マフラーは別オプション)。
■86前期モデル(アプライドB型)・GTグレード・6MT
走行距離36,000キロで価格は259万円(税込)
この状態のクルマで現車販売OKです!
KUHLでは、なるべくチューニング・サーキット走行を行っていないノーマル車をベースに新品のパーツでカスタマイズを施して販売しています。現車でなくとも同じ仕様のクルマをほぼ同じ価格で作ることが可能。
先ほどご紹介した通り、走行距離・カラー・オートマの選択次第では更にお安くすることも可能。予算に合わせてチョイスして頂くことができます。
フルバンパータイプの場合はマフラーのセットで40万ほどアップします。
KUHLでは86のデビュー当時からエアロパーツを開発したりカスタマイズを行ったりしていますので、ノウハウが多数。86をご購入したい方はKUHLにお任せいただけると、頑張ってクルマを作らせていただきますので、ぜひよろしくお願いいたします。
今回は86の購入のポイントならびにコンプリートカーについてご紹介をさせていただきました。ありがとうございました。
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