カーライフ
2021-10-25
改造車でも車検に通したい!その基準や費用、車検対策をご紹介!
改造車でも保安基準や正しい手順に従っていれば、問題なく車検を通せます。今回は改造車を車検に通すために注意したい基準や方法、改造車の車検費用を解説します。車検が通らない改造内容例に関しても記載しますので、正しい知識を身につけた上で車のカスタムを楽しんでください!
改造車でも車検に通る?その基準をチェック!
自動車メーカーが用意したパーツ以外で車を改造した場合でも「保安基準」を満たしていると、問題なく車検に通ります。「保安基準」とは国が定めた運転者や周囲の車、歩行者に対し、安全で環境に悪影響が少ないと定められた規定のことです。
また、保安基準を満たさない場合でも「構造変更申請」の認定を受けた車ならば、車検を通すことが可能です。改造パーツにはホイールやマフラーカッター、シフトレバーやオーディオ機器などが挙げられます。
改造の代表例であるエアロパーツ装着もボディサイズが規定の範囲内に収まっていれば問題ありませんので、思いっきり改造を楽しむことができます。
車検に通らない改造車とは?いじってはいけない箇所があります!
車検に通らない違法改造はいくつか存在し、知らず知らずのうちに改造を行っている可能性もあります。ここでは違法改造にあたる、いじってはいけない箇所を5つ紹介しますので参考にしてください。
①フロントガラス
フロントガラス(運転席・助手席側ガラス含む)は安全上の理由から、厳しい基準が設けられています。フロントガラスの透過率は70%以上と定められ、ステッカーなどの貼り付けは許されていません。フロントガラスに貼り付けが許されるものは、車検標章・定期点検済みステッカー・ドライブレコーダー・安全装置類・ETCとなります。
また、ダッシュボード上に芳香剤やぬいぐるみなどを置くのは、運転中の視界を妨げなければ問題ありません。しかし、万が一の事故の際エアバッグの動作に影響が出ると危険ですので、設置場所の変更をおすすめします。
②ヘッドライト
平成18年1月1日以降に生産されたクルマのヘッドライトは、全て「白色」である必要があります。色は「ケルビン」と呼ばれる色温度で表示され、車検に通る目安は3,500k〜6,000k(ケルビン)です。
ケルビンの数値は高くなるほど青色になりますが、青色は雪道などでの視認性が確保できないので注意が必要です。ちなみに年式が古い車のヘッドライトは黄色でも問題なく、フォグランプは年式にかかわらず黄色でも問題ありません。
③マフラー
マフラーの切り離しや触媒装置を取り外すと騒音や環境へ悪影響が起こりますので、車検には通せません。特に入手しやすい「競技用マフラー」は、サーキット走行用であり保安基準に適合しているパーツではありませんので注意してください。
④タイヤ・ホイール
車幅をはみ出したタイヤやホイールは車検を通すことができません。スピードメーターが狂い正確な数値が測定されず、ボディへの干渉でタイヤがパンクする恐れがあります。
⑤ヘッドレストへのモニター埋め込み
ヘッドレストへのモニター埋め込みは車検に通らない可能性が高いです。モニターが埋め込まれたことで万が一の事故の際、衝撃吸収や強度の面で問題が起こるためです。
改造車でも車検を通すための手続きをご紹介!構造変更申請とは?
正しい手順を踏めば、改造車でも問題なく車検を通せます。ここでは手続きの方法や費用、構造変更申請について解説します。
構造変更申請の概要
改造車を車検に通す前には「構造変更申請」という手続きが必要な場合があります。「構造変更申請」は改造によって車の大きさ・重量・乗車定員・排気量・形状、いずれかが変わる場合に必要となる手続きです。「構造変更申請」に通ると保安基準の規定外だとしても「安全で法律に適した改造」と認められます。
構造変更申請の手続き方法と費用
構造変更申請の手続き方法ですが普通車は陸運支局か自動車検査登録事務所、軽自動車は軽自動車検査協会にて、それぞれ手続きを行います。
申請に必要な書類は以下の通りです。
・車検証
・自動車検査票
・点検整備記録簿
・自賠責証明書
・自動車重量税納付書
・手数料納付書
・申請書一式
※業者に手続きを依頼する場合は使用者と所有者の委任状が必要です。
費用は以下の通りです。
・小型車 2,000円
・小型車以外 2,100円
※業者に手続きを依頼する場合は10,000円〜30,000円ほど代行費用が必要となるので覚えておきましょう。
申請に不備がなければ1週間から10日ほどで審査結果が通知されますが、場合によってはかなりの日数を要しますので、車検前に早めの計画を立てておくことをおすすめします。
違法改造車を合法車両とするための「公認車検」
構造変更申請の審査に通ると新たに「公認車検」と呼ばれる、通常の車検以上に厳しい検査が行われます。公認車検は以下の6箇所を改造した場合に必要ですが、車検に通るか不安な方は一度信頼できるショップに相談してみてください。
①エンジン
・型式の異なるエンジンの乗せ換え
・エンジンの総排気量を変更
②駆動系
・プロペラシャフトの変更
・ドライブシャフトの変更
・トランスミッションの変更を伴う改造
・駆動軸数の変更
③走行装置
・フロントアクスル又はリヤアクスルの変更を伴うもの
・軸数の変更を伴うもの
④操縦装置
・ハンドルの位置の変更
・操舵軸数の変更
・リンク装置の変更
⑤制御装置
・ブレーキ構造の変更
⑥緩衝装置
・サスペンションの種類変更
・緩衝装置の懸架方式の変更
車のカスタムで変更しやすい箇所といえば「サスペンションの種類変更」でしょう。バネサスをエアサスに変更した場合は上記に該当しますし、エアサスをバネサスに変更した場合も同様に該当します。
また、公認車検の費用は通常の車検費用より、40,000円から50,000円ほど高くなる傾向があります。
公認車検通過後
公認車検に合格すると新しい車検証の型式欄には「改」と記され、保安基準を満たさない改造車でも公道を走れるようになります。なお公認車検合格後の通常の車検タイミングは1度リセットされ、そこから2年ごとに計算されますので覚えておいてください。
記載変更のみで済む場合
軽微な改造であれば構造変更申請は必要なく「記載変更のみ」で済む場合があります。基本的には改造したことでボディサイズや重量の変化が一定範囲内であることなどが条件です。構造変更との違いは車検の残り期間が有効になり、費用や時間が節約できる点です。
改造車の車検費用はどのくらい?車検期間もチェック!
「記載変更のみ」の改造車の車検費用と車検期間は、普通車と変わりませんので安心してください。ただし、保安基準不適合の場合は改造前の状態に戻さないと車検には通せません。
この場合交換するパーツの数が多いと取り外す時間や費用が必要になりますし、古い車では部品が摩耗していて思わぬ出費につながるケースも多いです。
ディーラーでは合法でも改造車は車検に通りません!その理由とは
ディーラーでは合法な改造車でも車検を受け付けてもらえない可能性が高いです。なぜなら純正品でない箇所の修理を引き受けた後に問題が発生しても、ディーラー側は責任を負いきれないためです。
最悪の場合、ディーラーは営業停止処分の可能性もあるため、保安基準に適合しない車には神経質にならざるを得ません。どうしてもディーラーで車検を受けたい方は、純正の状態に戻してから依頼してください。
改造車を車検に出すとき気をつけるべきこと!
改造車を車検に出す際に気をつけたいのが、車を中古で購入していたケースです。中古車はフロントガラスのフィルム施工や足回りの部品交換など、自分では気づかない改造が行われている場合があります。
また、車の検査を行うのはあくまでも「人」であり、以前通った改造内容が今回も通るとは限りません。日頃から車の状態に目を配り、異音や気になる箇所を見つけた場合はすぐに最寄りのディーラーや信頼できるショップに相談してください。
不正改造による懲役や罰金といったトラブルを回避し、同乗者や歩行者の安全に配慮した車に乗り続けましょう。