そこにはクルマがあった。

一台の、真っ赤なクルマだ。

男は言った。

「スポーツカーといえば赤でしょう」

僕は小さくうなずいた。

そこにはカメラがあった。

それは万物を区別せず。

平等に映し出すことのできる唯一の眼なのかもしれない。

そんな瞳を背に男は、まるで四次元の世界から、一つの方角を指し示すかの如くこう断言する。

「当たり前じゃないですか」

僕はゆっくり息をのんだ。

人の足でも、前へ進むことはできる。

目的地にだって、いつかはたどり着けるだろう。

それでも私たちはクルマに乗るのだ。

乗せているのは、大切な命だけか？

己を体現させたともいうべき魂か？

もはや何が正解で、どうしたら間違いなのかもわからないこの世界で。

あくなき探求を続けたまえよ。

あんずるなかれ。

なんくるないさ。

答えはきっと、彼らが教えてくれるであろう。。。

僕は陰から見守るのみ。

すんません。どうも僕でした＼( ‘ω’)／

KUHLさいたま　中條