2019-7-26
新型スカイラインの真骨頂はVRエンジン搭載の400Rということです。
『スカイライン』っていう名前はニッポンの車好きなら少なからずとも胸アツワードのひとつになっていると思います。「昔は〜」なんて古臭いことを語るつもりはありませんが、時代とともに変化していくスカイラインについていけてなかったオジサンたちも多いのではないでしょうか?僕もその一人です。
それは逆にいえば、各々「自分にとってのスカイライン」があるわけで、僕なんかはR30スカイラインの赤黒ツートンカラーに心を鷲掴みにされた少年でした(年がバレる)。
モデルチェンジするごとに何か角がとれて、高級セダン路線を突き進むスカイラインの姿をみては「あぁ、昔を懐かしむようじゃ、俺ももうオジサンか」なんて背中からモワッと哀愁を出してしまっていたものです。
そこに飛び込んできた新型のニュース。今度のトピックはプロパイロットがさらに進化して、ハンズフリー(手放し運転ですね)で自動運転してくれるっていうからスゴイことです。自動運転大賛成派の僕としては嬉しいことは嬉しいのですが、ついにスカイラインはステアリングを握る喜びも失ってしまうのかと寂しさも感じてしまったんですね。
と思っていたら、ニッサンはやってくれました。オジサンのココロを鷲掴みにきましたよ。なんとスカイライン史上最大出力を誇るV6ツインターボエンジン搭載の「400R」なんていう特別仕様車をラインアップしての登場です。しかもエンジン型式は「VR30DDTT」。車好きなら多くを語らなくても察していただけると思いますが、この字面、最高です。もはやプロパイロット2.0なんかよりも、400Rのほうが気になっちゃうので、じっくりのその内容をチェックしてみましょう。
R35フェイスになってスカG回帰!
スカイライン 400R
新型といってもV37スカイラインのマイナーチェンジモデルなので、エクステリアの大幅な変化はできないところですが、それでも前期の高級セダン感から一転、スポーティな雰囲気が満点です。
なんといってもフロントグリルがR35 GT-R風なので、GT-Rとスカイラインが一蓮托生の存在であることを感じさせてくれて涙腺崩壊しそうです。
そしてやっぱりスカイラインは丸形4灯テールなんです。ケンメリスカイラインから続くこの伝統は、時々なくなったりもしますが、やっぱりまた復活する絶対的なアイデンティティなんですね。
ちなみにこの400Rのエクステリアは、他のグレードと同じなので、見分けるには400Rのエンブレムと専用デザインの19インチホイールぐらいですね。
ついついNISMO 400Rを懐かしんじゃう
R33 NISMO 400R
「400R」と聞いてピンときている人はかなりのスカイライン好きでしょう。かつて(たしか1995年くらい)R33スカイラインGT-RをベースにNISMOがチューニングした「NISMO 400R」というコンプリートカーがあったんですね。
限定99台くらいで、実売は50台前後だったという幻のスカイライン(記憶が曖昧ですみません)。RB26DETTをボアアップやらなにやらかにやらやって『RB-X GT-2』という名前のエンジンで2800cc・400馬力を叩き出したスペシャルなマシンです。
当時は自主規制280馬力だったので、市販車で400馬力というとかなりのモンスターマシンです。価格もモンスターで、1200万円くらいしました。その「400R」と同じ名前を冠しているなんて、スカイライン好きからしたらとっても胸アツなんですよ。
あのVRエンジンをツインターボで搭載!
VR30DDTT
そしてそのエンジンはこれまでのVQではなく、なんとVR!「あぁもうニクイ!」とオジサンは歓喜してしまいそうですが、これはそうR35 GT-Rと同じ系統となるわけです。R35 GT-RのエンジンはVR38DETTで、今回スカイラインに採用されたエンジンはVR30DDTT。これまでは2016年からインフィニティ Q50(スカイラインの海外版)に搭載されていただけで、日本国内は初採用となります。
エンジン型式の最初「VR」はV型でGT-R専用って意味。なのに今回スカイラインにもVRが採用されちゃっている。やっぱりGT-Rとスカイラインは切っても切れない関係なんですね。
そして38や30は排気量で、DEはツインカム+インジェクター方式、DDはツインカム+直噴型式、最後のTTはツインターボの意味となります。
つまり、GT-Rのエンジンを3000ccにして、直噴にしたエンジンってところなんですね。正確にはいろんな部分が違うと思いますが、型式だけを解釈するとそういうことになります。
ちなみに最高出力は405PSで、最大トルクは48.4kgf・mとなっています。この数値、NISMO 400Rに近くて、それもまたいいところです(NISMO 400Rは最高出力は400PSで、最大トルクは47.8kgf・m)。
もちろん、FRですよ。ハイパワーFR好きにももってこい。
高級路線も維持しているからオシャレに使える
かつて「NISMO 400R」の頃は400馬力オーバーの車なんて、走ることだけに特化していたものですが、最新の400馬力はちゃんと高級車としての快適な乗り心地もしっかり確保しているから、車の進化ってやっぱりスゴイなって思います。豪華で快適なインテリアで、400馬力のパワーを楽しむのが大人のオシャレって感じでいいですよね。
ハンドルは自動派か自分で握る派か
スカイライン 400Rにはプロパイロット2.0は装備されていません。いかなる場面でも自分でハンドルを握らなくてはなりません。つまり、この新型スカイラインは2つの提案をしているわけです。ハンドルを握らず自動運転の”走り”を楽しむか、ハンドルをしっかり操作して”走り”を楽しむか。
スカイラインってやっぱり日本車の”走り”代表って姿であってくれますよね。