2019-6-26
日産・新型スカイラインに搭載されるプロパイロット2.0はほとんど完全自動運転!?
「自動運転」というワードはいまもっともクルマに期待されている機能ではないでしょうか?なにをもってして自動運転というのか、いろいろな基準はさておいたとして、僕らが期待するのはやっぱりナビをセットしたら、そこまで勝手に走っていってくれるクルマではないでしょうか?それこそのが未来のクルマって感じですよね。
そこで国産自動車メーカーではいち早く自動運転化を推し進めているのが日産であって、「プロパイロット」という機能なんですが、ついに「プロパイロット2.0」に進化します。その謳い文句は「世界初インテリジェント高速道路ルート走行」とのこと。なにやら期待が持てそうなキャッチコピーですが、いったいどこまで進化したのかチェックしてみましょう。
2019年秋に登場する新型スカイラインに初搭載
記念すべきプロパイロット2.0の最初の搭載車は新型スカイラインになります。とはいっても、マイナーチェンジモデルなので完全な新型モデルではありません。意外にも大々的に新型モデルで登場ってわけじゃないんですね。登場は2019年秋とだけなっているので、厳密な日程はわかりませんが楽しみです。
ナビでセットした目的地まで自動運転!?
プロパイロット2.0の目玉はなんといっても「同一車線内ハンズオフ機能」と「ナビ連動ルート走行」です。まず「同一車線内ハンズオフ機能」ですが、ついにやりました。これまでも各社レーダークルーズコントロールなどでほぼ自動運転感覚は実現していましたが、ハンドルから手を離すのは許されませんでした。それがプロパイロット2.0はハンズオフ! つまり、手を離してOKというわけです。これだけでも価値は倍増です。さらに「ナビ連動ルート走行」機能は、ナビでセットした目的地までの道のり(高速道路上のみ)で車線変更までしてくれるというすぐれものです。
高速道路入口からジャンクションを超えて高速道路出口までほぼ自動運転
つまりこういうことです。A地点からB地点までナビをセットしたとすると、その途中にある高速道路の入口から出口までハンズオフで走れちゃうんです。さらにジャンクションに入るための車線変更などもやってくれちゃいます。ナビでセットした目的地までの途中にある高速道路はほぼ勝手に運転してくれるってことになりますね!
でも運転はサボっちゃダメ
そうなると「高速道路上は寝れるじゃん!」なんて考えは甘いです。ドライバーモニターカメラがしっかりと目を光らせており、まぶたを閉じていると何回か警告されて、しまいにはクルマを止めてしまいます。高速道路上に停めてしまったらそれはそれで危ない気はしますが、ようするにちゃんと座って前を見ていなさいということでしょう。
車線変更するときはスイッチ押すだけ
ナビ連動ルート走行中に前方車に追いついたときとかには、メーター内の案内が車線変更して追い抜くか尋ねてきます。ハンドルについている承認スイッチを押すとあとは勝手にウインカーを出して安全を確認して車線を変更して追い抜いてくれるというスグレモノなんです。あとはジャンクションに入るためやインターチェンジの出口に行くための車線変更も同じやり方です。このときばかりはハンドルに手を添えてなきゃダメみたいですね。
3つの新たなテクノロジーで実現
3D高精度地図データ
「同一車線内ハンズオフ機能」と「ナビ連動ルート走行」を実現できたのは、日産が新たに投入した3つのテクノロジーのたまものだそうです。ひとつは「3D高精度地図データ」ですが、カメラだけの情報だけではなく、精度の高いマップデータを組み合わせることで、自車位置の特定や道路の形状、白線の認識などが桁違いにアップしているとのことです。日産いわく、この技術、世界のどのメーカーも簡単には超えることはできないと豪語しています。
360度の周囲センシング
自車位置は正確に捉えられたとしても問題はまわりのクルマなど、めくるめく変化する道路状況です。そこは7個のカメラ、5個のレーダー、12個のソナーといった具合にメチャクチャたくさん装備して分析しまくっています。
ちなみにこんな感じに装備されるようです。こんなにたくさんついていてどれかひとつを破損してしまったらどうなっちゃうのか気になるところです。むしろ前後バンパーなんて、衝撃吸収用のバンパーというより、もはやセンサー設置台といった感じになっちゃってますね。
インテリジェントインターフェース
自動運転技術が進むにしたがって、運転席まわりの装備も徐々に変わっていくよってことですね。ドライバーモニターがどれだけの精度をもっているか検証してみたいですね。サングラスをかけているとどうなるのかとか……。
使ってみなきゃわからない疑問がたくさん
やっぱり資料だけではどれだけ使えるシステムなのかはいまいちわかりません。これ以外にもわかっている情報としては
高速道路のジャンクションでもハンズオフで走れる?
→一般的なジャンクションではハンズオフにはできないが、距離が長いような一部のジャンクションでは使えるようです。
走行中に障害物があったときは?
→緊急ブレーキ、横方向の障害物に対する安全装備、車線逸脱に対する安全装備などの運転支援システムをすべて装備しているので、緊急ブレーキなどを作動させる。
プロパイロット中にドライバーが何か操作したらどうなる?
→基本的にドライバーの意図はあらゆる場合で優先されるが、ハンドルを操作に関しては一時的な操作の可能性があるので、ハンドルから手を離せばプロパイロットが再開するようになっている。アクセルに関しても、一時的な加速をドライバーがしている可能性があるので、操作をやめればプロパイロットが再開するようになっている。ただし、ブレーキを踏んだ場合は緊急の可能性があるのでプロパイロット制御を解除するようになっている。
夜間でも使える?
→カメラと高精度地図上での時車の位置を合わせて走行しているので、昼間と夜間での性能差はない。
といった感じです。
しかしよくよく考えてみると、プロパイロット2.0はナビで設定したルートを自動で走ってくれるように感じますが、そんなわけではありません。日産も述べているようにあくまで”運転支援”です。じつはナビをセットしなくてもハンズオフは使えるのでルート自動走行には関係ないですし、恩恵をうけるのは車線変更を自動でしてくれるだけです。自動といってもスイッチを押す必要があります。ただ、確実に完全自動運転には近づいていますよね。この一歩一歩がいつかの完全自動運転を実現すると思うとワクワクしますよね!