フェラーリ F355 アライメント   KUHL RACING さいたま

フェラーリF355 アライメント KUHL RACING さいたま

 

こんにちはメカニックの坂本です。

今回はフェラーリ F355 ベルリネッタのアライメント作業の紹介を行いたいと

思います。

 

先日、You Tube視聴者のK様からステアリングが少し左に取られるから

アライメントを調整して欲しいとの電話があり、車種を確認したところ。

なんと、フェラーリ F355 ベルリネッタの6MTでした!

今の中古車相場で2000万円程のお車です。

フェラーリのアライメント調整は初めてでしたので、まずはネットで構造を確認です。

国産で多いカムボルトでの調整ではなくロアアームの付け根にシムを入れて調整する

という構造の車でした。

使う工具も特殊な物は必要無く、シムはK様が持参との事で、これなら作業可能だと

判断し作業をお受けしました。

 

作業当日、まずは現状の確認です。

本来なら試運転をして現状を確認するのがベストなのですが、お車がお車なだけに

今回はオーナーのK様にヒアリングです。

直進時にステアリングが少し左に取られるとのことで、道路の水はけのための傾斜の

ためかもしれないが、気になるのでアライメント測定、必要ならば調整もして

欲しいとの事でした。

早速、現状のアライメントデータの測定です。

測定の結果、車両の基準値と比べても大きなアライメントのズレはありませんでしたが、

気になる点が3点ほどありました。

1つ目は前輪のキャスター角の違いです。

右の方がキャスター角が付いており直進安定性が高く、左は右より直進安定性が低いため

結果、左にステアリングを取られてしまう。

2つ目は前輪のトー角です。

右がトーイン、左がトーアウトになってます。ステアリングが真っ直ぐの状態で前輪の

両方のタイヤが少しだ左を向いた状態です。これだともちろん車は左に進みます。

3つ目は後輪のトー角です。

右後のトー角は基準値内ですが、左後のトー角が若干基準値を超えてトーインに

成り過ぎてます。リヤが右に押される状態になり車は左に行ってしまいます。

これくらいの数値だと一つ一つは大きなくズレではありませんが、3つの要素が複合して

結果として左にステアリングが取られていたのだと思います。

オーナーのK様と相談の結果、車両の基準値内に調整した状態で一度乗ってみたい

との事で、早速調整開始です。

調整で使うシムはこちらになります。

オーナーのK様、持参品です。

このシムを入れて調整する箇所はフロントとリヤのロアアームの前後の付け根部分の

合計8箇所です。

シムの厚みを変える事によってキャンバー、キャスター、トーを調整します。

フロントのトー角のみタイロッドで調整可能です。

シムを入れる部分はこの部分になります。

写真の撮り方が下手ですみません。

調整も割とスムーズにいき、アライメントテスター設置から2時間程で全ての作業が

完了しました。

調整後の結果がこちらです。

 

国産車の純正の足周りではキャスター角を調整出来ない車種がほとんどなのですが、

20年以上前に設計された車でこの足周りの構造、フェラーリ恐るべしですね!

キャンバー、キャスター、トーすべての数値を基準値内に調整する事が出来ました。

シム厚での調整でここまでの数値が出せたので、自分でも満足いく結果となり

良い経験にもなりました。

オーナーのK様にも感謝です。

アライメント調整後、オーナーのK様にも試乗して頂いたのですが、絶賛して

頂きました。

ありがとうございます!

 

オーナーのK様に撮影して頂いた画像がこちらです。

E/GとM/Tの下は冷却のために開けてると思うのですが、それ以外の部分は全て

フラットです。

整流効果でダウンフォースも抜群に効きそうですね!

 

作業の後はK様と坂本マイカーのWRXで同乗走行も行い楽しい1日を過ごす事が

出来ました。

K様、これからも末永いお付き合い宜しくお願いします。

 

今回は、フェラーリF355ベルリネッタのアライメント作業の紹介でした。

ありがとうございましたm(__)m